沖縄の歴史を物語る「グスク(城)」。首里城や今帰仁城といった世界遺産も魅力的ですが、ガイドブックには大きく載らない「知る人ぞ知る名城」にこそ、真の歴史ロマンが隠されています。
うるま市石川の高台にひっそりと佇む「伊波城跡」。ここは、かつて琉球が三つの勢力に分かれていた「三山時代」に、要衝として重要な役割を果たした場所です。
荒々しくも力強い「野面積み」の石垣、そして本島でも珍しい「東シナ海と太平洋を同時に望む」絶景。今回は、伊波城跡の魅力を詳しくご紹介します。
伊波城跡の評価

※評価はOkinawa Bookmark管理者が沖縄の他の城・城跡と比較しての主観です
伊波城跡の基本情報
| 営業時間 | 特になし |
| 定休日 | 特になし |
| 入場料(個人) | 無料 |
| 所要時間 | 約20分 |
| 駐車場 | 有り(無料) |
| トイレ | なし |
| 住所 | 沖縄県うるま市石川伊波239-4 |
おすすめのポイント
「伊波按司」の歴史ロマン

伊波城は、14世紀後半から15世紀にかけて、この地を治めた有力な豪族「伊波按司(いはあじ)」の居城でした。
琉球王国が統一される前の「三山時代」、この城は北山・中山の勢力が交差する要衝として重要な役割を果たしていました。
一説には、勝連城の有名な城主・阿麻和利も伊波按司の血筋と言われており、沖縄の歴史を動かした英雄たちのルーツに触れることができる場所です。
「野面積み」の石垣美

伊波城跡の最大の見どころは、現存する野面積み(のづらづみ)」の石垣です。
加工していない自然石をそのまま積み上げるこの技法は、グスク建築の中でも古い形式とされています。
一見無造作に見えながらも、数百年もの風雪に耐えてきたその姿は、見る者に力強い生命力を感じさせます。
後の時代に作られた整然とした「切石積み」とは異なる、素朴で荒々しい美しさは必見です。
東シナ海と太平洋を一望するパノラマビュー


標高約90メートルの丘陵地に位置する伊波城跡は、かつて軍事的な拠点だったこともあり、非常に視界が開けています。
本丸跡付近からは、東側に石川湾(太平洋)、天気が良ければ西側に恩納村側の海(東シナ海)までを見渡すことができます。
厳かな空気が流れる聖域「御嶽(うたき)」

伊波城跡は単なる軍事拠点ではなく、現在も地域の人々に大切に守られている信仰の場所でもあります。
城内には複数の御嶽(拝所)が点在しており、古くから五穀豊穣や家族の健康を祈る場として機能してきました。
三ツ森城之嶽

中森城之嶽

森城之嶽

伊波ヌンドゥンチ・神アシャギ

喧騒を離れた「隠れ家的グスク」の静寂

世界遺産に登録されたグスクは多くの観光客で賑わいますが、伊波城跡は訪れる人もまばらな、知る人ぞ知る名所です。
伊波城跡のYouTubeショート動画
伊波城跡のショート動画です。ぜひご覧ください!
アクセス情報・駐車場
| アクセス | 那覇空港から車で約50分 |
| 住所 | 沖縄県うるま市石川伊波239-4 |
| 駐車場 | あり |
| トイレ | なし |
伊波城跡の歴史情報

伊波城跡は、沖縄県うるま市石川に位置する、標高約80〜90メートルの石灰岩丘陵に築かれたグスクです。築城は14世紀(約700年前)と伝えられ、今帰仁城主の子孫とされる有力な豪族「伊波按司(いはあじ)」の居城であったと言われています。
この城の大きな特徴は、自然石をそのまま積み上げる「野面積み」という古い技法の石垣です。構造は単郭式で、東・南・西側を堅牢な石垣が囲み、北側は険しい崖になっています。城跡からは外国製の陶器や青磁の破片が多数発見されており、当時の活発な交易と、この地を治めた按司の繁栄ぶりを今に伝えています。
また、伊波按司は安慶名城や勝連城といった、現在のうるま市周辺にある主要なグスクと密接なネットワークを持っていたという説もあり、琉球の歴史を紐解く上で重要な拠点でした。現在は県指定史跡となっており、城跡からは石川湾や石川岳を一望できる、歴史ロマンときれいな景観を併せ持つスポットです。
まとめ

伊波城跡は、700年以上の時を超えて琉球のルーツを今に伝える、まさに「静寂の聖域」と呼ぶにふさわしい場所です。
力強い野面積みの石垣の合間から、かつての英雄たちが夢見た景色を眺める時間は、贅沢なひとときとなるでしょう。単なる史跡巡りにとどまらず、現在も大切に守られている御嶽(うたき)の神聖な空気を感じることで、沖縄の精神文化をより深く理解できるはずです。
観光地として整備されすぎていないからこそ味わえる、ありのままの歴史の息吹。次の沖縄旅では、二つの海を渡る風を感じに、ぜひ伊波城跡へ足を運んでみてはいかがでしょうか。



コメント